「ペルソナマーケティング」とは、自社サービスを利用する顧客像を具体的に設定して、サービスを企画したり、戦略を立てたてるマーケティング手法です。
HARUNAFUJII.MEでは、主にフリーランス・個人事業主としてビジネスを展開されている方をサポートするWeb制作を行っていますが、個人で活躍されているみなさんはどのようにサービスやキャンペーンを企画したり、SNSでの情報発信をされていますか?
「周りがやっているから…」「思いついた勢いで!」という方も少なくないのではないでしょうか?
理想の形でサービスを展開したり、集客を行うには、計画を立てることが重要です。
ホームページづくりにとっても、分析と計画は大切な要素になります。
今回は、安定したビジネスの第一歩となる「ペルソナマーケティング」について、一緒に学びましょう。
もくじ
「ペルソナ」とは
自社サービスや商品の典型的なユーザー像のことを「ペルソナ(persona)」といいます。
その人物が本当に実在しているかのように、自社サービスを利用する架空の人物像を作成します。
具体的には、その人物の氏名、年齢、性別、居住地、家族構成、職業、趣味、休日の過ごし方など、属性だけでなく、心理的な一面まで詳細に設定していきます。
「ターゲット」との違い
サービスの対象を決める際に「ターゲット」という言葉を使ったことのある方も多いのではないでしょうか?
「30代」「女性」「OL」「音楽好き」のように、幅を持たせて設定したサービスの対象を「ターゲット」といいます。
ターゲットとペルソナは、サービスの対象を考えるという点ではよく似ていますが、設定する人物像の詳細さに違いがあります。
「ペルソナ」は特定の人物を詳細に設定し、「ターゲット」はある特徴をもつグループを設定するという点で異なります。
どちらかが優れているというわけではなく、場合に応じてサービスの対象を設定する方法を選択することが大切です。
「ペルソナ」を設定するメリット
①顧客ニーズの理解
サービスの典型的なユーザー像を設定し・分析することで、顧客ニーズを理解したり、深掘りすることができます。
また 顧客ニーズの深掘りは、既存顧客だけでなく、新たなニーズや潜在顧客の発見にもつながります。
ペルソナを設定して、「いつ、どこで、なにを、どのように」アプローチするべきか、戦略の方向性を明確にして、より良い施策づくりを行いましょう。
②コンセプトの明確化
ペルソナを通してマーケティング戦略の方向性が明確になることで、コンセプトも明確になってきます。
サービスの対象や方向性が明確になることは、サービス提供の現場だけでなく、情報発信や予約処理など小さな業務の意味や意義の理解、中長期の目標設定をする際にも役立ちます。
ペルソナ設定をすることは、頭の中を整理して、ビジネスの土台を作るための重要なステップだということが分かります。
③チーム内での共通認識
チームでサービスを企画したり、マーケティングをするときに、顧客に対する共通認識つくることはとても大切です。
具体的な人物像をあげて同じイメージを持つことで、認識がズレも少なくなり、プロジェクト進行の効率化を図ることができます。
ホームページ制作を依頼する際にもペルソナが設定されていると、制作者にご依頼者様のイメージが理解されやすく、理想に近いホームページづくりが可能になります。
「ペルソナマーケティング」とは

「ペルソナマーケティング」とは、サービスの典型的なユーザー像を設定し、その人物のニーズを満たすサービスを企画したり、PR戦略を立てたりするマーケティング手法です。
ターゲットのニーズが満たされるサービスを意識して、企画や情報発信をされている方は多いかと思いますが、「ペルソナマーケティング」では ある特定の人物を設定することで、顧客ニーズをさらに深掘りし、より具体的な施策やアイディアが浮かびやすくなります。
「この人はこんな生活をしていて 〇〇に困っているから、このサービスがあれば悩みが解決できるかも!」というように考えて、施策を立てていきます。
「SNSやブログで発信しているけど、なかなか集客につながらない…」「リーピーターが増えなくてサービス内容に悩んでいる…」という方は、一度「ペルソナ」を設定して、顧客分析をしてみましょう。
ペルソナの設定方法
①自社分析をする
ついつい忘れてしまいがちですが、ペルソナ設定を行う前に、まずは自身について理解することが大切です。
何を取り扱っているのかということから、特徴や強み・弱みなど、現在の自身のサービスについて把握しましょう。
次のリストを参考に自社分析を行ってみてください。
- 顧客:だれにサービス提供するのか
- 価値:どんなニーズを満たすのか
- 販路:サービス提供の手段はなにか
- 関係:顧客との関係構築手段はなにか
- 収益:いつ、なににお金が支払われるのか
- 資源:サービス提供に必要な資源はなにか(物・人材・知的財産etc)
- 活動:事業運営のために必要なアクションはなにか
- パートナー:事業を成功させるための協力者がいるか
- コスト:事業運営のためにかかる費用はいくらか(固定費・変動費)
紹介したリストは、「ビジネスモデルキャンバス」というフレームワークの項目を参考にしています。
その他にも自社分析の方法として、「3C分析」や「SWOT分析」などのフレームワークを活用するのもおすすめです。
②ペルソナ設定の項目を決める
サービスの対象になる人物を作成しようと思っても、いきなりサクサクと思いつくものではありません。何事も準備が大切です。
まずは、ペルソナを設定するために必要な項目をリストアップしましょう。
次の例を参考に、ご自身のサービスにあった項目を作成してみてください。
- デモグラフィック情報(属性)
- 基本情報[氏名・性別・年齢・居住地・血液型・誕生日など]
- 経歴[学歴・職歴など]
- 職業[業界・職種・役職・年収・通勤手段など]
- 家族構成[既婚/独身・子供の有無・同居家族など]
- サイコグラフィック情報(心理的特徴)
- ライフスタイル[起床/就寝時間・食生活・休日の過ごし方など]
- 趣味・嗜好[インドア/アウトドア・習い事・好きな映画など]
- 性格[内向的/外向的・うわさ好きなど]
- 価値観[大切にしている価値観・将来の夢/目標など]
- 情報収集[よく利用しているSNS、よく見るサイト、インターネットに触れる時間など]
③ペルソナを作成する
②で作成した項目をひとつずつ埋めていきましょう。
ここで大切なことは、データに基づいた客観的な情報をもとにペルソナを作成することです。
ペルソナは、架空の人物ではありますが、妄想であってはなりません。
時間はかかりますが、自社や競合、業界における顧客の調査・分析を行いましょう。
デモグラフィック情報(属性)については、インスタグラムのインサイトや予約サイトなどのアクセス解析機能を活用して、既存顧客の分析を行うことが可能です。
サイコグラフィック情報(心理的特徴)については、顧客の生の声が必要になります。
サービスを利用しているお客様に対してアンケートを実施したり、普段から感想・レビューの収集を行うよう心がけましょう。
細かすぎるのでは?と思うかもしれませんが、実在する人物のように詳細にペルソナを設定するほど、「自社サービスの利用者がなにを求めているのか」が明確になり、より具体的なサービスの企画や戦略を立てたてる手助けとなるのです。
④定期的に見直す
ペルソナを設定して施策を実行したら、その成果を確認してみてください。
思うように成果がでていないときは、ペルソナから見直してみましょう。
実際のサービス利用者とペルソナがかけはなれていないか確認したり、新たに発見した顧客ニーズや特徴などを追加したりして、ペルソナの質を高めましょう。
ペルソナマーケティングの注意点

客観的なデータをもとに作成する
ペルソナを作成するときに注意したいのは、思い込みや先入観だけで作成しないこと。
ペルソナは人物の属性だけでなく、数字では表すことができない心理的な特徴を含むため、自分のイメージで空想の人物を作成してしまうと、理想のユーザー像になってしまいがちです。
ペルソナマーケティングで設定したいのは、自社サービスの典型的なユーザー像。
既存のデータなどを参考にして、客観的な視点を持つことが重要です。
特に、サイコグラフィック情報(心理的特徴)を考える際には、アンケート調査やレビュー収集などで得た情報を活用しましょう。
定期的に見直す
作成方法でも触れましたが、流行や環境の変化によって顧客ニーズは変化します。
成果の有無にかかわらず、定期的にペルソナを見直しを行いましょう。
おわりに
今回は「ペルソナマーケティング」の基礎知識と作成方法を紹介しました。
フリーランス・個人事業主として活動される方で、集客やリピート率に悩んでいるという方は、少なくないはず。
そんなときは、ビジネスの土台から見直してみましょう。
自身の商材はなんなのか、だれに、どうやって届けたいのか、ひとつひとつ明確にすることで、新しい発見つながることもあるでしょう。