【カスタマージャーニーマップ】変化する顧客の思考・感情・行動を把握しよう

【カスタマージャーニーマップ】変化する顧客の思考・感情・行動を把握しよう

「カスタマージャーニマップ」は、時間軸と照らし合わせながら顧客の考えていることや行動を把握するためのフレームワークです。

サービスを知ったとき、他社と比較するとき、実際にサービスに触れたときなど、ひとりの顧客にフォーカスしても、タイミングによって必要としている情報やサービスは異なるもの。
今回は、顧客の行動・思考・感情の変化を把握するのに役立つ「カスタマージャーニーマップ」について紹介します。

カスタマージャーニーマップとは

商品・サービスを知ってから購買に至るまでの顧客の行動や思考・感情を時系列ごとにまとめたものを「カスタマージャーニーマップ」といいます。

認知・興味・検討・購入など、フェーズごとに顧客の行動や思考・感情を書き出し、顧客体験の全体像を可視化していきます。
この作業を行うことで、商品・サービスと関わる中で変化する顧客の行動や思考・感情を理解し、情報発信の内容やタイミングを見極めたり、課題を洗い出すことができます。

カスタマージャーニーマップを作るメリット

カスタマージャーニーマップ

顧客の感情・思考・行動を把握する

カスタマージャーニーマップでは、ひとりの人にフォーカスして時系列ごとに顧客の行動や考えること、感じることを深掘りします。
どんなタイミングで、なにを見て、なにを感じ、次にどんな行動を起こすのかなどの内容をマップ上に具体的に書き出して、段階ごとの顧客ニーズを把握していきます。
そうすることで、「このタイミングではこの情報が必要だろう」「この情報はSNSよりホームページに載せておこう」など、顧客の求めるタイミングやそのときに必要な情報を見極めて発信できるようになります。

課題への気づきを得る

顧客の思考・感情・行動はポジティブなものだけでなく、ネガティブなものも考察します。
購買へのステップを妨げる可能性のあるネガティブな感情や思考を把握することで、ビジネスの課題を発見し、事前に対策を練ることもできるのがカスタマージャーニーマップの特徴です。
集客に伸び悩んでいる、リピート率が低いなどの悩みを抱えている方は、カスタマージャーニーマップを作成して、課題解決に取り組みましょう。

情報発信の羅針盤になる

時系列ごとに顧客ニーズを把握できるカスタマージャーニーマップを作成することで、「いつ・だれに・なにを・どんな形で・どのツールを使って」伝えるのが最適なのかを考えるのにも役立ちます。
自分が迷わないための地図として、カスタマージャーニーマップを用意しておきましょう。

カスタマージャーニーマップの作り方

カスタマージャーニーマップサンプル

ここからは、カスタマージャーニーマップの作り方を紹介します。
手順に沿って一緒に作成したり、具体例を見ながら読み進める場合は、先にワークシートをダウンロードしてくださいね。

①カスタマージャーニーマップの目的・目標を設定する

カスタマージャーニーマップの作り方①

カスタマージャーニーマップを作ることで、なにを明確にしたいのか、どんな気づきを得たいのか、完成したマップをなにに活用したいのかなど、ワークの目的を言葉にしておきましょう。

②ペルソナを設定する

カスタマージャーニーマップの作り方②

商品・サービスの対象になる顧客像を設定しましょう。
カスタマージャーニーマップでは、顧客の行動や思考・感情を考察するため、顧客の属性に加えて心理的な特徴まで設定した「ペルソナ」を用意します。
性格や生活習慣、価値観によって、購買に至るまでの流れは人それぞれ。
自分の商品・サービスを届ける対象を明確にしましょう。

「ペルソナ」の設定方法は、前回のブログで詳しく紹介しています。

[blogc_ard url=”https://harunafujii.me/persona/”]

③縦軸・横軸の項目を決める

カスタマージャーニーマップの作り方③

カスタマージャーニーマップの時間軸と考察する項目を設定しましょう。
商材や目的よって、項目はさまざまです。
次の例を参考に、自分に合った項目を設定してみてください。

【横軸の例】

横軸には、顧客が商品・サービスを知ってから購買に至るまでの「フェーズ」を時系列で設定します。
次の項目は、ヨガスタジオの集客について考えた場合の例です。

  • 認知・興味
    何かのきっかけでサービスを知って、参加したいと思っている段階
  • 情報収集・比較検討
    サービスについての情報を集めて、実際に購入するか検討している段階
  • 予約・参加(購入)
    サービスを予約・参加する段階
  • 継続
    継続的にサービスを利用する、検討している段階

【縦軸の例】

縦軸には、顧客の行動・思考や自社の課題など考察したい項目が入ります。
一般的な例として、次の項目があげられます。

  • タッチポイント
    ホームページやSNS、雑誌など、顧客との接点となるツールや場所
  • 行動
    Googleで「〇〇」と検索するなど、顧客がとる具体的な行動
  • 思考・感情
    「体硬いけど、ヨガできるかな?」など、ある行動をしたときに顧客が考えたことや感じたこと
  • 課題・解決策
    商品・サービスの購入や次のフェーズ進むことを妨げる可能性がある、顧客の心理的な側面や物理的な要因
     

④タッチポイントと行動を考察する

ここからは各フェーズごとに ④〜⑥ の作業を繰り返しながら、マップを埋めていきましょう。
ポイントは、ペルソナの目線に立って具体的に記入すること、アンケートやレビューなどの客観的なデータを元に作成することです。

カスタマージャーニーマップの作り方④

タッチポイントとは、顧客との接点になるツールや場所のことをいいます。
例えば、ホームページ・SNS・広告・店舗・店員などがあげられます。
顧客と自分のサービスとの接点が、どんな場所や場面にあるか考えてみましょう。

行動の欄は、顧客がどんな行動をとるか具体的に記入します。
例えば、「認知・興味」の行動では、「雑誌の習い事特集で、家の近くのヨガスタジオが紹介されているのを見つけて読んだ」というように記入します。

⑤顧客の思考・感情を考察する

カスタマージャーニーマップの作り方⑤

このステップでは、④の行動から顧客はどんなことを考えるのか、どんな感情がわくのかを考えましょう。

④であげた例を参考に思考・感情を考えてみましょう。
感情は「やってみたい」「楽しそう」、思考は「仕事の帰りに寄れそうだけど、荷物が増えるな…」などがあげられます。

ここで大切なことは、ネガティブな思考や感情にも目を向けることです。
ネガティブな情報を書き出しておくことで、次のステップの課題を見つけ出しやすくなります。
また、思考や感情を記入する時には、それがポジティブなものか、ネガティブなものか分かるように「○・△・×」の印をつけたり、ワークシートのような折れ線グラフを加えておくと視覚的にも顧客の状態を把握できるのでおすすめです。

⑥課題を考察する

カスタマージャーニーマップの作り方⑥

顧客が次のフェーズに進まなくなる要因を考えましょう。
顧客の心理的な要因はもちろん、顧客と事業者、両者の物理的な条件も考慮します。

今回の例では、心理的な要因は「荷物が増えるから面倒」「一人で行きたくない」など、物理的な要因は「スケジュールが合わない」「運動する服を持っていない」などがあげられます。

顧客のネガティブな思考・感情に目を向けると課題を発見しやすくなります。
また、「ペルソナ」を見返して生活環境や自分のサービス環境に課題となる要因はないかも確認しましょう。

課題の解決策を考える

すべてのフェーズで④〜⑥の項目を埋められたら、最後に課題の解決策を考えます。
完成したカスタマージャーニーマップを通して、顧客のサービス体験の全体像を把握し、どのタイミングで、どんな施策を打つのが効果的か具体的に考えていきましょう。
きっと、いいアイディアがうかんでくるはずです。

作成するときの注意点

客観的なデータをもとに作成する

カスタマージャーニマップを作成するときに注意したいのは、思い込みや先入観だけで作成しないこと。
自分のイメージだけで作成してしまうと、理想の顧客の物語になってしまいます。

課題を見つけ出して、より最適な情報発信・サービス提供を行うためには、既存のデータなどを参考にして、客観的な視点を持ってマップを作成することが重要です。
特に、顧客の行動や感情・思考を考える際には、アンケート調査やレビュー収集などで得た情報を活用しましょう。

ネガティブな視点にも目を向ける

作成方法でも触れましたが、ネガティブな情報に目を向けることが課題の発見につながります。
また、様々な視点から顧客やサービスについて見つめることは、いままで気がつかなかった新しいニーズの発見にもつながります。

定期的に見直す

カスタマージャーニマップを作成して施策を実行したら、その成果を確認してみてください。
思うように成果がでていないときは、実際のサービス利用者と考察した顧客の行動・思考・感情がかけはなれていないか確認したり、ペルソナから見直したりしてみましょう。

また、流行や環境の変化によって顧客の行動・思考・感情は変化します。
成果の有無にかかわらず、定期的にマップを見直して、変化がある部分を書き直したり追記をしましょう。

おわりに

今回は、カスタマージャーニマップの基礎知識と作成方法を紹介しました。

フリーランス・個人事業主として活動される方で、毎日インスタグラムを更新しているけど、なかなかターゲット層から反応を得られない、集客に悩んでいるという方は、少なくないはず。
そんなときは、発信している情報の内容だけでなく、タイミングやツールが適切かどうか確かめてみてくださいね。